株式会社オムニバス・ジャパン
花崎涼平さん
映像表現学科 CGコース
[現:メディア芸術学科 CG・ゲームコース]
2016年度卒業
CG だけでなく映画撮影の現場にも専門外の経験も積んだ4 年間
僕は子どもの頃から『仮面ライダー』などの特撮が好きで、漠然と映像関係の仕事に就きたいと思っていました。専門学校に行くか、大学に行くか迷いましたが、大学を卒業していれば潰しが効くだろうと思い、映像表現学科CGコース(当時)への進学を決めました。
大学に4年間通って、改めて思う一番の収穫は「幅の広い表現を学べた」こと。僕はCGコースに所属していましたが、映画コースにも頻繁に出入りをしていて、映画コースの授業に出席したり、一緒に映像制作をしたりしたんですね。特に映画を撮影するときは監督のほか、カメラマンや照明など実に多くのスタッフが関わってきますが、僕は制作部として撮影の準備を手伝ったり、撮影した映像に仮想現実を重ねるVFX(Visual E ects)を施したりする機会に恵まれ、映画ができ上がる工程を間近で見てきました。CG技術のことだけを言えば、もしかしたら専門学校の方が密度が濃い技術を学べたかもしれませんが、自分の専門外の経験も積むことができるという点では大学に進学してよかったと思います。
また、卒業生の活躍も刺激になっています。たとえば、まんが表現学科(当時)に所属していた同期が人気連載まんが家になっているのですが、活動するフィールドは違えど、同じ大学出身のクリエイターの活躍を見ていると、自分も頑張ろうと思えるんですよね。CGコース以外でも見知ったクリエイターがいる環境は、今振り返ってもありがたかったなと思います。
入社7年目人気映像作品を手がける日々
大学の合成の授業ではAdobe After Eectsというソフトウェアを主に扱っていましたが、お世話になった実習助手の方から「業界内ではNukeが主流になっていく」という話を聞き、Nukeというソフトウェアを独学で勉強してきました。その知識が生かせる会社を探し、僕は新卒で株式会社オムニバス・ジャパンに入社をしました。
入社7年目の今は、素材を組み合わせて仕上げていくコンポジットをメインとする部署で働いていて、最近関わった作品としては、『映画刀剣乱舞-黎明-』『クレイジークルーズ』『翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~』など。分業体制をとっているので各分野のプロフェッショナルが集まっている反面、「自分の担当する部署以外のことはあまりよく知らない」というメンバーも多いと感じるのですが、僕は大学時代に映画ができ上がる工程を見てきた経験が大いに役に立っていて、全体像を把握しながら動くことができるという強みがあります。今はまだ10年前の知識のままやり続けることができる仕事かもしれないけれど、生成AIの登場によって、自分たちの仕事がAIに取って代わられる時期がくるかもしれない─。そんな危機感も感じつつ、外部のセミナーに参加するなどして、知識や技術をアップデートするように心がけています。現実にはないものをあるように見せることができるVFXは本当に面白い技術なので、これからもこの業界で頑張っていきたいと思っています。
意思さえあればトライできる環境を楽しんで
決して安くはない学費を払って大学に行くからには、大学にある機材を使い倒すのがいいと思いますし、たくさんあるチャンスや出会いを逃さないでほしいです。やりたいという意思さえあれば、いろいろトライできる環境ですから、ぜひ神戸芸工大での4年間を楽しんでもらいたいです。